ノズルネットワーク株式会社
三月
遠目には、野や山はまだ冬の眠りの中にいるかのようである。
しかし、土や水は温み始めている。
お水取りも過ぎ、三寒四温の時節でもある。
浅春・早春という呼び方に日本の四季を感じる。
自然界は草木も地中の虫達も、目を覚まし
日射しに向かって思い切り手足を伸ばし始める。
小川の淵には、ゼンマイやフキノトウが顔を出し
陽だまりではヒメオドリコソウ・オランダミミナグサなどの花が咲く。
江戸の頃のお屋敷の奥座敷に
渋い焼きの盛皿がぴったり似合っている。
山影に咲く春欄を中心に
土筆、種つけ花、フキノトウ、タツナミソウと
春の畦や田んぼの中、山道沿いに咲く草花を
山苔の中に植え付けるようにしてあしらってみた。
浅春の陽光が奥座敷を優しく包む。
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