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興味深いノズルの世界
主にノズル製品は噴射する水、油、空気などの流体の種類と、その流体をどのような条件で噴射するかにより、たくさんの種類に分かれます。そして現在、世界中には数10万種類のノズル製品があり、中には「これがノズル?」と驚くような形もあります。また、このようにたくさんの種類のノズルがあれば、幅広い利用目的に応じて、的確なノズルを選ぶことがでます。ここでは、ノズルが大変役に立っている事例を幾つかご紹介しましょう。
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人命や財産を守るノズル
もし地下街や高層建築、高速道路のトンネルなどで火災が発生したときに、天井のスプリンクラー(1種のノズル)や消防ホース用のノズルなどの消火設備がなければ、多くの人命や財産が失われるかもしれません。そこで火災による被害を最小限に抑えるために、建築物に関係する法律に従ってスプリンクラーや消火設備を取り付けなければなりません。このようにノズルは法律で指定されるほど重要な部品なのです。
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塩酸を噴射するノズル
ノズル製品を作る材料もさまざまで、特に化学工場で塩酸や硫酸を噴射するノズルは、ノズルボディーが液に溶かされないように、航空機の機体と同じ金属のチタンで作ります。また泥水のような流体や非常に腐食性が高い液を噴射する場合には、金属製のノズルでは数ヶ月で磨耗や腐食が発生して使えなくなるので、食器の陶磁器と同じ材料のセラミックで作ることもあります。そうすれば腐食や磨耗が発生することなく、数年間にわたって使い続けることができます。 |
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水でガラスを切るダイヤモンドノズル
あの強い水撃の消防車の放水よりも、300倍も500倍も高い水圧で噴射した糸状の水で、金属やガラスを切断するのに使われるノズルは、非常に硬い材料の人造ルビーやダイヤモンドで作ります。その理由は、もしこのノズルを包丁と同じ材質のステンレスで作ったとすれば、ノズル内部を高速で流れる水の影響で、わずか数分でオリフィス(流体の噴出穴)が磨耗して使えなくなりますが、ルビーやダイヤモンドであれば、数時間も使用できます。ノズルの内部を流れる流体は、どんな硬い材料のオリフィスでも時間の経過とともに磨耗させてしまいます。 |
いろいろなノズル(ほんの一例です)
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