干潮歩道:小豆島の余島
♪海は割れるのよ、道ができるのよ♪
ユダヤ人でなくても海が開いて対岸へ渡ることが出来れば、それを神秘として信じるだろう。けれども、毎月一度その奇蹟が現実になったらどうか、年にわずかの開通を唄う天童よしみの「珍道物語」は、日本でも何カ所か起きているのだ。伊豆の堂ヶ島では大潮の時に三四郎島に渡ることができるし、小豆島の余島でも干潮歩道ができる。他にも数カ所起きている。私の生まれ育った広島の東南部でも島へ渡る道があって、父と貝を採集に行っていて、危うく帰れなくなるところだった。小豆島の土庄にある余島は四つの島からなっている。対岸のホテルではこの道をレインボーロードと名付けて観光化した。かつて戦時下の日本で日米の架け橋になろうとした外交官がいたが、あの人の映画は「虹に架ける橋」だった。
|