廃線のトンネル:宮崎・小林の三之宮峡
連続トンネルをくぐって絶景へ
九州には古い橋が多い。江戸期に作られた石橋を見ようと大分、熊本、宮崎と回っていると、案外半世紀前くらいの建造でも面白い物も多い。宮崎県小林市の三之宮峡には戦時中に鉄がないので、それでも造った竹筋製の橋満橋がある。川面からは22メートルもあるのだから、眺望もいい。ただ、そこへ行くのがちょっと大変だ。この三之宮峡には木材運搬用に造られたトロッコの線路跡があって、途中に手掘りのトンネルが11箇所、連続してある。全国の廃線のトンネルはどこでもおどろおどろしいものであるが、ここのトンネルはその先にまた連続して洞窟があるから、躊躇させるのだ。実はこの先に橋満橋はあるので、私はもう、目をつむったつもりで橋まで駆け抜けた。帰りはもっと勇気が要ったのだが。
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